🌒夜かふぇすぴの座物語

《中洲店にて:オーナー兄妹10年前の写真》

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🌙 〈オーナー山口ひとみより〉
このページでは、私が「夜かふぇすぴの座」の成り立ちと歩みをお話しします。
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■ はじまり ― 兄と妹でつくった“対話の場”

「夜かふぇすぴの座」は
2015年10月10日
私と実兄の二人で生まれました。

兄は大学で哲学、特にスピノザ思想を
研究していましたが、
彼にとって哲学とは、

“教室で語るものではなく、
夜の酒場で息づくもの”

という揺るぎない信念がありました。

酒場でこそ人は本音になる。
その本音の中に “生きた思想” が宿る。

その信念を実現するために、
兄は私を水商売の世界へ送り込み、
カウンターを “哲学の場” として
成立させる役目 を託しました。

これが、すぴの座の原点です。

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■ 名前の由来 ― 「座」は“場所”を表す言葉

「すぴの座」は兄が生み出した造語です。

•“すぴの”=スピノザ
•“座”=星座・座る場所・舞台座

この二つが合わさり、
“人が集まり、心がひらかれる場所”
という意味が込められました。

スピリチュアルな感性を持つ人が
ふらりと訪れたり、
人生相談が自然と始まったり、
言葉にならない想いが
そっとほどけていく——

この名前には、
そうした“目に見えない流れ”までも
宿っています。

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■ ロゴの象徴 ― 黒蝶(こちょう)

すぴの座のロゴは
黒い蝶をモチーフにしています。

宮崎で神社にお参りをするたび、
不思議なくらいの頻度でひらりと
黒蝶が現れました。

黒蝶は古来より、
•魂の再生
•導き
•境界を越える者
•「見えない世界」と「現実」をつなぐ存在

と伝えられています。

宮崎という“みそぎの土地”で過ごすうちに、
移住、祈り、仕事の転換、
母としての決断……
その節目のたびに黒蝶が前を舞い、
進む方向をそっと知らせてくれている
ようでした。

この体験は、すぴの座が宮崎で
“新しい形”へ向かう契機となり、
ロゴにも “導き” の象徴として
込められています。

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■ ペルシャ料理 ―
言葉ではなく“温度”で伝える接客

中洲で働き始めた頃、私は決して
会話が得意ではありませんでした。

そこで私を救ったのが、
イランでの暮らしで身につけた
ペルシャ料理 でした。

国際結婚で過ごした家族の台所、
料理が心をつないでくれたあの時間。

その温度を夜のカウンターに持ち込み、
“料理で心を伝える接客” を
築いていきました。

宮崎に移ってからは
一度手放しましたが、
あの体験は今もすぴの座の根の一部
として息づいています。

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■ 宮崎という“みそぎの地”

中洲で根を張ったすぴの座は、
私の移住とともに宮崎へも広がりました。

宮崎は“みそぎの土地”。
この地で暮らし、祈るうちに、
私の人生は静かに整っていきました。

お参りのたびに黒蝶が舞い、
再生や転機を象徴するように
寄り添ってくれたこと。

その経験が、すぴの座の
“現在の形” をつくるきっかけとなりました。

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■ すぴの座の現在(2025)

今、すぴの座は二つの灯りとして
存在しています。

•博多中洲店(10月より ななママが担当)
•宮崎店(12月より みゆきママが担当)

私はカウンターから一歩離れ、
すぴの座全体の運営を支える役へ。

必要な時だけ
完全予約制(1〜3名限定)で
昔ながらのお客様や新しいお客様と
静かに語り合える特別な時間を
お届けできたらと思います。

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■ 終わらない物語

すぴの座は、
兄の思想から始まり、
中洲で根づき、
宮崎で黒蝶に導かれ、
今も静かに形を変え続けています。

ここは 「人生の物語が交わる場所」。
そして、その灯りはこれからも消えません。

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ママのプロフィール


名前:ひとみン(山口ひとみ)
※二児の母 シングルマザー
出身:福岡県福岡市 → 息子の野球をきっかけに宮崎市へ移住
趣味:カフェ巡り・神社参拝・ブログ
特技:ペルシャ料理・ペルシャ語



ペルシャとのご縁

20代で単身イランへ留学。
国際結婚、外国人家族との同居、海外での出産など、イスラム圏での暮らしを経験しました。生活様式も考え方もまったく違う中近東で過ごした時間は、何ものにも代え難い、私の人生の宝物です。



ペルシャ家庭料理と私

私の作るペルシャ家庭料理は、現地の元お姑さん直伝。そこには私の汗と涙、人生経験すべてが詰まっています。イランと日本は、古代シルクロードの端と端。同じアジアに属する両国の食文化をつなぐ小さな架け橋となれたら嬉しいです。いつの日か、私の作るペルシャ家庭料理を味わいにいらしてください。

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